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て情報処理システムの分散化が急速に進展んでいる。分散システムは、必要な時に必要な場所で目的に応じた処理を行える、いわゆるクライナント/サーバ・システムとして、今後ますます進展するものと期待される。こうした状況からパソコンの出荷は、順調な伸びを堅持しており、特に企業用のPC−LAN、クライナント/サーバシステムの構築、あるいは個人用のインターネット、PC通信の活用等の需要に支えられて今後も加速的に伸びていくものと予測される。一方、伝統的な大型メインフレームについては、近年の分散化、ダウンサイジング化の波に押され伸び悩んでいるのが実情である。しかし、最近のCMOS技術登場によるコストパフォーマンスの向上、データウェアハウスの導入等企業内大規模データベースの構築、あるいはオープン化への対応等の需要もあって、今後の見通しはそれほど暗いものではない。特に、並列処理方式によるメインフレームは、すでに科学技術分野では数百から千以上のプロセッサを使用した超並列マシンが使われている。一方、低速ではあるものの、安価でスケーラブルな拡張性をもたせた並列マシンがビジネス分野でも活用されつつある。表2−3−6は、日本電子工業振興センターが行った情報処理機器の出荷状況の予測である。

コストパフォーマンスの高い高機能PCと高速通信ネットワークをべ一スとして、柔軟なシステム構築を達成するため、ユーザにおけるダウンサイジング化、分散化、オープン化の傾向はますます強まりつつある。ちなみに、図2−3−5から図2−3−7には、ユーザにおけるオープン化の状況を、また、図2−3−8から図2−3−10にはダウンサイジング化の状況をそれぞれ示した。こうした情報化の革新は、行政内の情報化あるいは行政情報サービスの高度化にとっても重要な役割を持つものと考えられる。

産業分野を中心に展開してきた情報化が、個人の分野にも広がりを見せる中で、最近携帯型の情報端末機器が外出先でのネットワークアクセスを支援する機器として脚光を浴びている。例えば、移動電話のPHSについては、1996年4月にデータ通信の標準が発表されたが、これによって公衆網で32Kb/sのデータ通信が可能になった。1997年にはPHS各社がPHSのデータ伝送実用化に踏み切る。これにより、ノート型パソコンと組み合わせて本格的なモーバイルコンピューティングの幕開けとなる。また、無線呼出もポケットメディアとして、外出先でもぺージャで電子メールが受信可能となり、インターネットを利用できる環境さえ整っておれば、特別なソフトウェ

 

 

 

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